2021年3月3週振り返り(ラプソディー イン 金利)


おはようございます!週間ではダウ平均が0.46%安、S&P500が0.77%安と3週ぶりに反落し、ナスダック総合が0.79%安と反落しました。3月月初来では、ダウ平均が5.48%高、S&P500が2.68%高、ナスダック総合が0.17%高となりました。

今週の振り返りでは①各国中央銀行の政策についての評価②イールドスプレッドについての解説、を行います。①各国中央銀行の政策についての評価は、先週、ECB理事会、今週、FOMC、日銀政策決定会合、がありましたのでその解説と評価をします。◎△×で評価したいと思います。

先ず、ECB理事会、評価は◎です。PEPPの拡充により長期金利の上昇を抑えると明確に示唆しました。そもそも長期金利はリスクフリーレートとして、個人に対する住宅ローンや企業に対する融資の基準になります。その基準、つまり長期金利が上昇すると個人や企業がお金を借りにくくなるのです。

それを防ぐ手段としてPEPPの拡充をラガルド議長は力強く示唆しました。これは欧州経済にとって非常に非常にポジティブな事です。よって今回のECBの政策についての評価は◎とします。続いてFOMC、評価は△です。2点あります。1点目は2023年末までゼロ金利を継続するというスタンスを改めて明確化しました。

これはポジティブです。しかし2点目、長期金利の上昇については、抑制策を発表していません。これは先ほど述べた、個人や企業の融資に対してネガティブです。その結果、FOMC翌日には金利が急上昇しています。これは失策とまでは言えないものの、もう少し何か対策があったと感じています。よって評価は△です。

最後に日銀政策決定会合、評価は×です。ますYCCの変動幅の拡大について。長期金利の変動幅を0.00%を基準に上下0.20%から0.25%へと拡大しました。これはシンプルに考えて緩和の縮小、つまりテーパリングです。絶対にやってはいけない事をやってはいけないタイミングで彼らはしたわけです。

更に株式ETF購入枠を年間6兆円を削除するという事も発表しています。これも単純に考えてテーパリングです。日銀はどうしても出口戦略を意識したいようですが、わざわざこの時期にやる必要はないと私は考えます。つまり評価は×です。ECB◎FRB△日銀×というのが私なりの今回の評価になります。

②イールドスプレッドについての解説、に移ります。まずS&P500のイールドスプレッドを計算により求めたいと思います。イールドスプレッドの計算式は以下の通りです。

イールドスプレッド=株式益回り‐10年国債利回り
         =1/PER-10年国債利回り
         =1/22倍-1.72%
         =4.54%-1.72%=2.82%

これは何を示すかと言うと株価が割安か割高かを示す指標になります。株式益回りというのはPERの逆数で高ければ割安、低ければ割高になります。そこから10年国債利回りを引けばイールドスプレッドが求められます。10年国債利回りは高ければ高いほど株価にとって不利、低ければ有利ということが分かります。

つまり、イールドスプレッドは低ければ株価が割高、高ければ株価が割安という説明になります。この数値が過去でどのくらいの水準かをチェックするのです。2010年以降の平均は3.94%で現在の値2.82%はかなり割高な水準ということが分かります。どのくらい割高かは標準偏差を使います。

標準偏差とは統計上で、正規分布という分布上でどの位の位置にあるかという確立統計の用語です。シンプルに言うと1標準偏差で66%の範囲に収まるという事だけ覚えれば十分です。ここでS&P500のイールドスプレッドの1標準偏差は0.97ポイントです。平均値3.94にプラスマイナス0.97%を加えると1標準偏差内の数値が分かります。

つまり、2.98〜4.91%の範囲に66%収まっているという事が分かるのです。ここで2.82%は66%の範囲に収まっていません。つまり今、イールドスプレッドはかなり割高な水準だということが分かるのです。言い換えれば株価と金利の関係から考慮すると、バリエーションが許容できなくなってきていると言い換えられます。

今週もお疲れ様でした。今週はサロンメンバーが経営するとっても美味しいピザ屋さんに顔を出しました。生地が最高でした!来週も宜しくお願いします。良い週末をお過ごしください。