2021年12月2週振り返り(ソブリンティ)


おはようございます!週間ではダウ平均が4.02%高と5週ぶりに反発し、S&P500は3.82%高、ナスダック総合も3.61%高となり、ともに3週ぶりに反発しました。

注目の11月CPIは前年同月比6.8%と予想6.8%と一致も前回6.2%を上回り39年ぶりの高水準でした。これは来週FOMCでのテーパー加速の可能性を十分示唆する内容です。先週述べた通りテーパー加速は早期利上げの選択肢が生まれます。それはオプショナリティという意味でFRBにとってポジティブです。つまり将来の選択肢の増加によってあらゆる状況に対処できる訳です。

それにより逆にスタグフレーションリスクが低下したと言えます。つまり最悪の事態は回避されたのです。ただし高いインフレ率は継続する可能性が高く、見込まれる来年3月のテーパー終了後はFRBが早期利上げに踏み切る可能性は高いと考えています。それを見込みマーケットは一旦はピークを打ったと私は考えています。またバリエーションは未だ高くS&P500のPERは22倍です。

これを正当化させるには低い市中金利、つまり10年国債利回りが必要で、現状の水準では高いバリエーションも説明できます。しかし景気回復により市中金利が上昇すればPER22倍は正当化されず、EPSの増加による16倍への自然回帰よりはPERの低下、つまり株価の調整が起きる可能性の方が高いと考えています。それが何をきっかけで起きるかは分かりませんが長期目線では警戒しています。

次に政治の話題、バイデン大統領の支持率が低下しています。WSJの調査では、バイデン大統領の仕事ぶりを評価するとの回答は約41%、評価しないとの回答は57%でした。また連邦議会選挙が今行われた場合に共和党を支持するとの回答は44%で、民主党支持の41%を上回りました。これはバイデン大統領への指導力への信頼感の欠如が原因であり、アフガンでの致命的なミスも影響しています。

私もバイデン大統領は期待外れだと感じています。特に期待された外交面、つまりグローバリズム回帰は更なる分断に終わっています。今週は民主主義サミットが行われました。私は民主主義と他の主義(社会主義・独裁主義・共産主義)を分ける意味はないと考えています。それよりもソブリンティ、つまり国家主権を互いに認め合い尊重していく必要があると思う訳です。

ソブリンティについては過去のトランプ氏の主張に同意します。『さまざまな国々が同じ文化、伝統、さらには政治システムを共有することを期待してはいない』『しかしわれわれは、全ての国が以下のような、主権国家としての2つの義務を支持することを強く期待する。それは、自国民の利益を尊重し、他のすべての主権国家の権利を尊重することだ』と彼は述べています。

民主主義サミットの問題は、民主主義で固まる事により、他の主義と更なる分断が起こるという事です。それよりはトランプ氏の以前の主張のテーマ、ソブリンティの尊重の方が現実的だと考えています。何故ソブリンティをここまで重視するかと言うと、中国の思想との対立にあります。中国は中華秩序の元、中国以外の国は中国の属国という思想で他国を支配しようとしています。

それは天下とも言い換えられ、国際社会では受け入れられない思想なのです。その中国に対抗する必要はあります。しかし、民主主義と他の主義を分断させて良いとは言えません。その意味ではバイデン大統領よりトランプ氏の方が外交理念が良かったと考えている訳です。個人でもダイバーシティが重要視されます。同様に国の在り方もそれぞれの歴史を尊重するべきだと思う訳です。

今週もお疲れ様でした。今週末は遂にサロンの公式オフ会です。遠方からも来てくれる人が居て、とても楽しみにしています。コロナであまり大きなオフ会は出来ませんでしたが、やはり会う事は何よりも早いです。交流が進むと思います。来週も宜しくお願いします。良い週末をお過ごしください。