2021年11月4週振り返り(買い場ではない)


おはようございます!週間ではダウ平均が1.97%安と3週続落、S&P500が2.20%安、ナスダック総合が3.52%安とともに反落しました。

金曜日、南アフリカ変異種が急激にマーケットを襲いました。ダウは2.53%安、ナスダックは2.23%安、そして日経平均は引け後も下げ幅を拡大し、28000円台を割り込んでいます。ドル円も115円台から一時112円台まで下落、原油も13.04%安と暴落しました。セクターではシクリカル株が特に弱く、長期金利も1.482%と大幅低下しています。VIXは28.62まで上昇しました。

この変異種がどのようなウィルスなのかハッキリしていませんが、このところ懸念されていたインフレ期待が収まる可能性があります。つまりマーケットが織り込んでいたテーパーの加速懸念が急激に解消されたという事です。政策金利を色濃く反映する米国2年債利回りが0.650%から0.508%まで大幅低下しています。5年BEIも2.92%と3%を割り込んできました。

11月FOMC議事要旨は思いのほかタカ派でした。テーパーを開始したばかりなのにそのペースの加速を議論したからです。懸念はやはりインフレ率、そして11月FOMC後に発表されたCPIが6.2%とインフレターゲットの2.0%を大きく上回り、そのテーパー加速はかなり確度の高いものでした。しかし今回の変異種の発見によりシナリオは崩れた可能性があります。

今後のマーケットですが、正直パンデミックが原因の為不確実性が高まったという事しか言えません。ただしPERが22倍のS&P500はやはり割高だと言えるでしょう。今はテーパーが開始され、金融相場の終わりが見え始めました。そんな中指数のバリエーションが22倍は正当化されません。16倍に平均回帰するならEPSが伸びるかPERが下落しなければなりません。

今回の下落は変異種をきっかけとして起こりましたが、本質的には高すぎるバリエーションが問題だと考えるわけです。私は決して弱気論者ではありませんが、昨年の3月24日以来強気にだった相場見通しを今年の10月5日に弱気に変更しました。それはスタグフレーション懸念によるものでしたが、本質的には高いバリエーションを否定するイベントが起こると考えたわけです。

またこの下落が続くかどうかも分かりません。ただ言える事は買いではないという事だと思います。以前マーケットが急落した時は金融相場の道半ばだった為、絶好の買い場と示唆し、マーケットは戻りました。しかし今回は金融相場が終わり、業績相場に移行するかスタグフレーションに陥るかまだ分からない状況です。こういう時はリスク資産のエクスポージャーを低くするに限ります。

推奨ポートフォリオは株式30%債券40%商品10%現金20%です。相場見通しで後ほど書きますが、商品については暫くインフレ期待が収まる可能性が高いので外したいと思います。そして新しいポートフォリオは株式30%債券40%現金30%とします。かなりディフェンシブなポートフォリオですが、暫くそれで様子見をしたいと考えます。

今週もお疲れ様でした。今週末はこれから北海道に旅行に行ってきます。サロン始まって初めての旅行ですし、また初めての休暇でもあります。たまには仕事を忘れてリフレッシュして来たいと思います。今週もお疲れ様でした。来週も宜しくお願いします。