2021年1月3週振り返り(テーパリングと金と半導体)


おはようございます!週間ではダウ平均が0.91%安、ナスダック総合が1.54%安とともに5週ぶりに反落し、S&P500も1.48%安と3週ぶりに反落しています。

1月5日、相場見通しで私は金をポートフォリオから外すという示唆をしました。その理由は、テーパリングが話題になった瞬間、金はポートフォリオのヘッジとしての役割が終わるという事によります。1月5日、追加経済対策やワクチン期待から、相場は楽観的なムードにありました。そういう時によく出てくる話題はテーパリングなのです。

テーパリングとは量的緩和の縮小を言い、つまりその話題が出てしまうと、金には非常に不利になってしまいます。量的緩和の縮小とは、貨幣の量の増加ペースが減少するという事です。それは相対的に金という資産の魅力を失わさせます。だから、『テーパリング』というワード自体が出るまえに金を売るべきなのです。私はその時上昇していた金を売る判断をしました。

1月8日、フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は、米金融当局による債券購入プログラムについて早ければ年末にも縮小し始める可能性があると述べました。まさに『テーパリング』の話題が出てしまいました。そして金は下落しています。1月5日の予感は当たったのです。やはり、景気浮揚が感じられる話題が多くなると、その出口に言及するという事が起きたのです。

その後1月13日、米セントルイス地区連銀のブラード総裁は、全ての事象から米インフレ率上昇が示唆されているとしながらも、FRBが超緩和的な金融政策を引き揚げる時期について言及するのは尚早との考えを示しています。つまりテーパリングについてはまだ時期尚早と述べているわけです。

更に1月14日、パウエル議長は国内経済の状況が物価や雇用の目標からかけ離れているとした上で、資産買い取りの変更に関する議論は時期尚早という考えを示しています。これは結局『テーパリング』の話題はまだ早いと言って一連の議論の火消しに回ったという事です。

これによって金の下落トレンドは一旦、終わった可能性があります。ただし、いずれか今年の後半にも議論は再燃するでしょう。『テーパリング』はいつかは起こることだからです。金は、2020年株式の下落を補完する良い資産でした。しかし、その役割は終わったのです。

話題は変わって、半導体、好調です。新型コロナウイルス禍を背景に、ノートパソコンの需要が急増。また在宅勤務の普及でクラウドサービスやこれを支えるデータセンターの需要も大きく伸びています。これに加え、次世代通信規格「5G(第5世代)」スマートフォン向けの半導体需要も急増している事が背景です。

それに伴い、圧倒的な供給不足に陥っています。特に自動車向けでは、供給が追い付かず、生産ラインが停止する事態にまで発展しています。これは半導体株には追い風です。SOXは3000ポイントを上回りました。ファウンドリー大手の最高決算を出したTSMC、製造装置株の東京エレクトロン、テスターのアドバンテストも高値を更新しています。

この流れは暫く続く可能性が高いです。需給のミスマッチは簡単には収まらなさそうです。半導体は産業の核とも言えるでしょう。此処からも、景気の回復が感じ取れる訳です。つまり、半導体株は高値追いが続くと考えています。

今週もお疲れ様でした。今週は非常事態宣言という事もあり、殆ど家でのんびりしていました。糖尿病という事もあり、コロナに掛かったらイチコロなので気を付けています。来週も宜しくお願いします。良い週末をお過ごしください。