おはようございます!週間でダウは1.82%上昇、S&P500は0.64%上昇、ナスダックは0.08%上昇しました。先週末発表された良好な雇用統計を背景に、堅調に推移しました。
今週は金利に注目したいと思います。金利と株価は密接な関係を持っています。金利が上がると株価には不利になり、金利が下がると株価には有利になります。今回は、配当割引モデルを使って株価と金利の関係を説明したいと思います。
株価とは、将来の配当を現在価値で割り引いたものと説明できます。ここで現在価値とは、今の10円と10年後の10円が金融理論上違うという事から成り立ちます。10年後の10円は金利があるために10円より価値が低いです。例えば5円とします。また20年後の10円は2円とします。
将来受け取る配当が今年10円、来年12円、再来年15円と伸びていくと仮定します。そのうえで現在価値に割り引くと、例えば今年10円、来年11円、再来年13円のようになります。これを無限に合計したものが株価なのです。ここで現在価値に割り引く割引率を期待収益率といいます。
期待収益率は現在の金利状況に左右されます。つまり金利が低下すると、期待収益率も低くなるのです。ここがポイントです。先ほどの割り引いた配当が、今年10円、来年12円、再来年14円となるのです。つまり株式の価値が上昇します。これが金利低下が株式上昇に寄与する理由です。
ここで、ハイテク株は基本的に配当性向が低いです。利益を配当に回すより設備投資等に投資するからです。つまり株価に占める要素として、より将来の配当の割合が高いのです。そうすると期待収益率が下がることによる金利感応度が高くなります。ここが金利低下するとハイテク株が上昇しやすい理由です。
では今はどのような状況かというと、金利は極めて株価にとって有利な状況と言えます。FRBが無限QEをして長期金利は非常に低い水準に抑えられています。ナスダックが非常に強い理由は金利が非常に低いという事も理由になります。
どの金利水準で株価が腰折れするかは私には分かりません。しかし金利が急騰した場合は株価に注視が必要になります。例えばバイデン氏が大統領になり中国に対する追加関税を撤廃した場合、株価も金利も急騰するでしょう。そして金利の急騰が若しかしてハイテク株の下落要因になる可能性もあります。
いずれにせよ、株価と金利はシーソーゲームなのです。長期金利、つまり米国10年国債利回りを注目する理由はそこです。ただ基本的にFRBは少なくても2022年末まで極めて緩和的な政策を維持すると示唆しています。それは長期金利も簡単には上昇しないという事です。長期的に株価は金融相場の元、堅調に推移すると考えています。
今週もお疲れ様でした。私事ですがサロンが無事50枠埋まりました。これもひとえに皆様のおかげです。入って頂いた方一人一人2時間程度かけサロンの説明をしているんですが、それも今日終わる予定です。来週も宜しくお願いします。良い週末をお過ごしください。