2020年3月2週振り返り(money goes by)


おはようございます!週間ではダウ平均が10.36%安、S&P500が8.79%安、ナスダック総合8.17%安とそろって反落しました。

月曜朝から原油が急落、WTI先物は30ドル台へ暴落から週が始まりました。これは危機が次の段階に来たことを示唆しています。つまりコロナウィルスの拡大によるリセッション懸念から、クレジットデフォルト懸念へ問題がシフトしたのです。

原油の下落から素材輸出国の新興国を中心に通貨と株式が暴落。そして米シェールの破綻懸念まで波及しました。これがさらにマネーの逃避、レバレッジの巻き戻しを引き起こしました。

ヘッジファンドは基本的にプライムブローカーからお金を借りてレバレッジをかけてポジションを組んでいます。そのポジションが大幅に痛むと証拠金を追加で積まなくてはなりません。その為の換金売りが大きく出ました。

その現象は、金や債券の動きから推測できます。通常株が大きく下がれば金や債券は上がります。しかし換金売りに押され各資産の相関が崩れてしまったのです。またマーケットではドルが絶対的に不足していることも分かります。

要するにマネーが収縮しているんです。それに対してまず必要なことは資金の供給、つまり中央銀行の量的緩和です。FRBは債券の大規模な購入を開始しました。私が驚いたのはそれでも換金売りが止まらないという事です。それだけファンドが痛んでいるという事が分かります。

金融政策に加え財政政策も必要です。トランプ大統領は非常事態宣言をしてあらゆる政策を総動員する姿勢を示しました。最大500億ドルの連邦政府予算を活用し、検査や治療の体制を強化。原油備蓄の開始、学生ローンの金利支払い免除、などです。

米株は金曜日約2000ドル上昇し、金融政策と財政政策を好感しています。しかしこれでマーケットが沈静化したとも思えません。この水準で原油が推移していること自体がまずいのです。原油安は新興国やシェールの体力を奪います。信用収縮が起こる可能性があるのです。

つまりすぐには落ち着く問題ではないという事は分かります。本当のセリングクライマックスはまだかなり先だという事です。それは数か月後なのか半年後なのかはわかりません。今は資産の相関が崩れています。

その資産の相関が正常になってから本当の下落が訪れると考えています。まずはこの高すぎるボラティリティが収まること。そして各国の協調対策が成功することをマーケット関係者として願うばかりです。

この3週間、非常にタフな時間だったと思います。今週もお疲れ様でした。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。


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